クリーンな排気で、作業環境と修復家にもやさしく
-- ミュージアムクリーナーで使用されているフィルターについて

掃除機の排気は「部屋の空気を汚す最大の原因」と言われています。
従来の家庭用掃除機や卓上クリーナーのフィルターでは、細かな塵やカビの胞子防ぐ事が出来ず、作業スペースに排気とともに部屋全体に充満させてします恐れがあります。
掃除を行った対象の作品以外にも、同じ作業スペースにある作品にもホコリやカビの胞子を撒き散らしてしまい、掃除の意味が無くなります。
また、作業をする修復家の健康にも悪影響、ホコリ、カビが原因による様々なアレルギー疾患を起こす可能性があります。

ミュージアムクリーナーのフィルターは

ゴミを集める紙パックフィルターと、さらにHEPAフィルター、大型ミュージアムクリーナーはULAPフィルターを使用する事により、清浄な排気が可能です。

この他、排気口に直接取り付けるエアフィルターや偏向機がございます。 各フィルターの写真やその他オプション商品については
オプション品紹介する　アクセサリページ　をご覧下さい。

それぞれのフィルターの特徴、精度とクリーンルーム・クラスについて

ヘパフィルター　High Efficiency Particulate Air Filter
エアフィルタの一種で、空気中からゴミ・塵埃などを取り除き、空気を清浄にする目的で使用される。掃除機の排気や空気清浄機などに使用され、 JIS規格（日本工業規格）において「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97％以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」とされている。

ウルパフィルター　Ultra Low Penetration Air Filter
ヘパフィルターよりも高性能のエアフィルタの一種で、空気中からゴミ・塵埃などを取り除き、空気を清浄にする目的で使用される。主にクリーンルームの空気清浄機などに使用される。 JIS規格（日本工業規格）において「定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995％以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」とされている。

メルトブラウンポリエステル繊維　Melt-blown polypropylene fiber (MBPF)
メルトブラウンポリエステル繊維はフィルター用に開発された素材です。高性能の濾過機能を持ちながら、吸取力や空気の流動に影響を与えません。 湿度制御が必要な環境下での使用でも湿気や埃をキャッチします。クリーンルームで使われる白衣やマスク等の衛生用品に使用される素材です。

メルトブラウンポリエステル繊維　ISO14644-1
「ISO14644-1：Cleanrooms and associated controlled environments. Classification of air cleanliness」は1999年に国際標準化機構により策定された工業分野クリーンルームの国際的な標準規格で、清浄度により1〜9までクラス分けが行われています。
クラス基準は1立方メートル辺りのダスト濃度量により分けられます。
最も厳しいクラス１では「 1立方メートルの空気中に0.1μmの微粒子が10個以下しか含まれない空間」となります。

各クラスのダストの大きさと濃度表 （個/m3）

クラス	0.1μｍ	0.2μｍ	0.3μｍ	0.5μｍ	1μｍ	5μｍ
ISOクラス1	10	2
ISOクラス2	100	24	10	4
ISOクラス3	1000	237	102	35	8
ISOクラス4	10000	2370	1020	352	83
ISOクラス5	100000	23700	10200	3520	832	29
ISOクラス6	1000000	237000	102000	35200	8320	293
ISOクラス7				352000	83200	2930
ISOクラス8				3520000	832000	29300
ISOクラス9				35200000	8320000	293000

大型ミュージアムクリーナーは、空気清浄度　クラス6に対応する商品です。
1立方メートルの空気中に0.1μmの微粒子が1000000個以下、0.2μmの微粒子が237000個以下、0.3μmの微粒子が102000個以下、0.5μmの微粒子が35200個以下、1μmの微粒子が8320個以下、5μmの微粒子が293個以下、しか含まれない空間。
1μmは1mmの1000分の1で、カビの胞子等のサイズは1μm以下で、スギ花粉の大きさは20〜40μm。